本日も世界の最新プライシングニュースをお届けしたいと思います!
今回は以下の3本を紹介したいと思います。
ウニオン・ベルリンは来月の試合でスタジアムを満員にすることを目指す
独・ブンデスリーガのウニオン・ベルリンは10月25日のテストマッチでソーシャル・ディスタンスを行わず、ホームスタジアに2万人以上を呼び戻す計画です。(※ホームスタジアムでアルテ・フェルステライスタジアムの収容人数は22,000人。)
クラブのダーク・ツィングラー会長は「スタジアムを満員にすることがクラブの最優先事項であり、そのために地元政治家や保健当局と目下連携中である」と話しました。加えて、「PCRを入場時に行うことはしないが、簡易的なテストを会場で行うプランでいる」と話します。ソーシャル・ディスタンス無しでの開催時にどうコロナの感染拡大予防を行うか、クラブはあらゆる可能性を模索中です。
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ファンを迎え入れるNFL2チームが苦悩するチケット販売
カンザスシティ・チーフスとジャクソンビル・ジャガーズはNFLシーズン開幕戦でファンをホームスタジアムに迎える予定です。しかしながら、肝心のチケット販売は低調で、販売価格も低調です。実際、2次流通市場であるチケットマスターなどにおいても過剰在庫の影響から額面価格より安い取引が試合数日前になっても目立ちます。
ジャガーズがこのような状態にあるのは今に始まったことではありません。彼らのチケット残席が多いことは以前から度々起きていたため、それほど不自然な現象ではないと考える関係者は多いです。一方で、チーフスのチケット価格が低迷している状態は関係者を驚かせています。チーフスは昨年AFC代表としてスーパーボウル(NFL優勝決定戦)で勝利するほどの強豪です。そんな彼らの開幕戦となるヒューストン・テキサンズ戦のチケットでさえ空席が目立っているのです。
開幕戦というのは本来需要が高く、2次流通市場のチケットマスターやStubHubで額面と同じ価格で取引されることは稀です。1つの可能性として、ファンは試合日ギリギリまでチケット価格がどうなるか待っているのかもしれません。
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ディズニー新作『ムーラン』が3300円で動画配信される衝撃
ディズニーは来週からエンターテイメントの歴史において革新的な価格実験を始めます。コロナウイルスによる映画館の閉鎖によって上映が厳しい中、ディズニーは新作『ムーラン(原題”Mulan”)』を、自社のストリーミングサービスDisney+において異例の動画配信で公開することに踏み切りました。驚くことに月額650円ほどのサービスであるDisney+でムーランの視聴を希望するユーザーは一時的な追加費用として3200円も支払うことになるといいます。
このような価格設定は、自社コンテンツに絶対の自信を持つディズニーならではの芸当です。ディズニーが推定212億円もの制作費用を回収出来るか否かは、この価格を消費者である一般家庭が適切な価格だと見なすかにかかってくると言えるでしょう。CEOのボブ・チャペックはこの取り組みの成功の可否に関わらず、自社にとって興味深い実験になると述べました。また、ムーランの視聴を望む新規ユーザーの獲得も十分見込まれています。加えて、彼は新規ユーザー獲得による月額利用料収入の増加が、ムーラン制作費用の一部補填として機能するはずだと捉えています。ディズニー社の自社作品への確固たる信頼と消費者が作品に対していくらまで払うのかの境界線を見極めようとする姿勢から学ぶことは多いでしょう。
こうした月額ストリーミングにおけるユーザー単価向上の試みは、音楽ストリーミングサービスの雄であるApple MusicとSpotifyでも見られます。AppleはApple Music利用者をApple NewsやApple TVの利用者にもしようと企てます。またSpotifyも同様にポッドキャストやオーディオブックも提供することで、ユーザー単価の上昇を狙っています。ただ音楽業界全体を見渡した時に、ディズニーほど貪欲にコンテンツ単位での価格付けを行おうとする事例は極めて少ないです。もちろん音楽業界とディズニーの行うビジネスに違いはあるにせよ、ディズニーの試みが音楽業界の価格戦略がいかに及び腰であるかを際立たせているのは間違いなさそうです。
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本日は以上の3本の記事を紹介させて頂きました。今後はこちらで毎週プライシングに関する記事を発信していきますので、ぜひご覧ください!
(ダイナミックプラス 菊川)
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