ダイアナミックプライシングと「一物多価」


先日、ダイナミックプライシングに関する記事を執筆致しました。

ダイナミックプライシングとは?基本から解説!!

今回の記事では、そのダイナミックプライシングを包含する概念である「一物多価」のメリットについて解説します。
結論、「一物多価」のメリットは収益の増加です。
この収益増加の仕組みについて詳しく説明します。

ダイナミックプライシングと「一物多価」の関係


まず「一物一価」とは伝統的に経済学で提唱されている「一物一価の法則(law of indifference)」に倣った価格付けです。一つの物に単一の価格のみが存在することを意味します。
現在、世の中にある多くの物はこの方法で価格付けがされています。
そこから派生して誕生したのが「多物一価」「一物多価」です。
「多物一価」とは複数の物を一つ価格で販売することで、多くの動画を見られるNetflixのサブスクリプションが例としてあげられます。
一方「一物多価」とは一つの物を複数の価格で販売することです。
そしてこの「一物一価」に含まれるのが、ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングです。
ダイナミックプライシングとバリアブルプライシングの違いについては、次回の記事で紹介します。
「一物多価」の価格付けを導入することで、収益増加を実現できます。
なぜ、収益が増加するのか?
その仕組みを次に説明します。

「一物多価」での収益増加の仕組み


「一物多価」での収益増加の説明にあたり、「ダイナミックプライシング」に関する記事でよく目にする、下の図について解説いたします。

一物一価

一物一価を表すグラフの画像

一物多価

一物多価を表すグラフの画像

一物一価

一物一価の収益例を表す画像

今回、固定価格「8」で販売している商材(製品・サービス)を例にとり説明します。
固定価格「8」の時の販売量は(8)とします。
この時の収益は、
64 = 8 (価格) × 8 (数量)
です。

一物多価

今回は、固定価格「8」に対して、一物多価では3種類の価格「4」「8」「12」を用意したと仮定します。

一物多価の収益例を表す画像

まず、価格「12」の時です。
価格「12」での販売量は(4)です。
これは、これまで価格「8」で売っていた販売量(8)のうち(4)が、価格「12」で売れたことを意味しています。

一物多価の収益例を表す画像

次に、価格「8」の時です。
価格「8」での販売量も(4)です。
固定価格の時、価格「8」での販売量は(8)でした。
しかし、そのうちの(4)は価格「12」ですでに販売されています。
よって販売量は(8)から(4)引いた数である(4)になります。
累計販売量は(8)となり、すでに固定価格の時と同じになりました。

一物多価の収益例を表す画像

次に、価格「4」の時です。
価格「4」での、販売量も(4)です。
この販売量は「一物多価」にしたことで新たに創出されました
これは値下げしたことで、「この値段なら試してみよう!」と思い購入してくれた方がいたということです。
累計販売量は(12)となり固定価格より(4)増えました。

一物一価と一物多価の収益差を示すグラフの画像

最終的に「一物多価」での収益は、以下を合計して「96」となります。
48 = 12 (価格) × 4 (数量)
32 = 8 (価格) × 4 (数量)
16 = 4 (価格) × 4 (数量)
固定価格の時の「64」と比べ、「32」増加しました。


価格設定

一物一価

一物多価


販売量

8

12


収益

64

96

ダイナミックプライシングと「一物多価」とは…


この記事では、ダイナミックプライシングと「一物多価」について説明しました。
「一物多価」とは一つの物を複数の価格で販売することでした
そして、ダイナミックプライシングも「一物多価」に含まれました。
「一物多価」のメリットは収益の増加で、今回の記事ではその仕組みについて詳しく説明しました。

最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が皆様のダイナミックプライシングと「一物多価」のより深い理解に繋がれば幸いです。

Categories:

Tags:

Comments are closed