データでバス料金を最適化し
収益向上や業務効率化に貢献へ

はじめに

東京バス株式会社は、貸切バス事業を中心に、都市間高速バス「ニュースター号」、生活路線バス、ハイヤー・タクシー事業、旅行業、整備業、飲食業、クルーズ船事業など幅広くグループで事業を展開している企業です。

バス事業におけるDX推進を背景に、バス料金の最適化を目的に、2024年3月から乗合バスでレベニューマネジメントサービス「Revenue+」を、さらに同年9月からダイナミックプライシングサービス「D+」をご導入いただきました。 

今回は、同社でレベニューマネジメント業務を担当されている藤田様に、本サービスをご導入いただくにあたり、当時の課題や導入後の変化などについて、詳しくお伺いしました。 

【お話をお伺いした方】
東京バス株式会社 藤田 有貴 様(運行管理部 係長・高速バス事業の運行管理を担当

Q. 導入前の状況を教えてください 

〈藤田様〉
これまで乗合バスの料金は、担当者の判断基準や肌感覚で、年度の初めに価格を決定しており、
ゴールデンウィークや祝日等を考慮したうえで、月ごとの販売価格の調整を行い、販売価格を確定していました。

そのため、その時どきに合わせて柔軟に変動させていた競合他社の料金と差が出ているような状況でした。

過去の販売実績データは蓄積していたものの、そのデータを使用した分析や、データに基づいた販売価格の適正化も行えておらず、価格設定による収益面での機会損失が発生していたと感じています。
とくに当時はコロナウイルスから需要が戻りかけていた状況で、曜日ごとの需要はコロナ禍前後で変化しつつあった部分もあり、適正な価格設定についての答え合わせができていなかったこともあり、御社のサービス「Revenue+」、「D+」を導入することにしました。

Q. それぞれの最終的な導入の決め手を教えてください 

「Revenue+」では、業務の軽減や販売価格の適正化ができる点が決め手でした

〈藤田様〉
今まで手が回っていなかった価格設定に関して、「Revenue+」ではカレンダー形式で1ヶ月ごとに最適な価格が算出されるのが魅力的でした。というのも、これまでバスの料金はカレンダー形式でHP上に発表していたこともあったため、導入後も、スムースにバス料金を最適な価格で設定できるようになったからです。 

算出される価格は、直近の過去実績を踏まえたものになるため、どの担当者でも同じ精度で適正な価格設定を行なうことが可能になり、業務軽減や属人化の解消につながったことも良かったと思います。

実は「Revenue+」導入の準備段階では、私たちの肌感と異なる価格が算出されることもありましたが、その都度、ご担当者様との密なコミュニケーションを通して、私たちが持つ感覚知や暗黙知をお伝えし、認識のすり合わせをしっかりとさせていただきました。

サービスの導入後も、定期的な振り返りの場を設けていただき、算出される価格を定期的にアップデートしていただくことで、最終的には、違和感のない価格の算出ができるまでになり、納得感を持ってサービスを使用することができました。

「D+」では、日次での需要対応ができるようになりました。

〈藤田様〉
「Revenue+」の時と同じように、認識をすり合わせた後、正式に同年9月から「D+」を導入いたしました。

こちらの決め手は、その日ごとの需要や供給の変化に応じて価格変更を行える点でした。

御社の「Revenue+」で算出されたカレンダー料金での販売を基本的には行なっていましたが、どうしても需要に対応する供給数は時間の経過に合わせても変化します。その時どきで最適な価格を設定するには、やはり日々の需要変化に対応するダイナミックプライシングという形をとる方が、相性が良いと考えました。

(※導入いただいている高速バス「ニュースター号」の予約はこちらから)

Q. 導入後の変化や効果について教えてください 

「D+」で、業務負荷軽減と売上増加の両方を実現できました!

〈藤田様〉
「D+」を導入したことで、販売価格決定を行うレベニュー業務が軽減し、さらに売上を向上させることもできました。
特に金曜日、土日祝日といった需要の変動が大きなタイミングについては、ダイナミックプライシングの導入により、売上を十分にアップできていると感じています。

月曜日の昼行便などは、どうしても売上/稼働率ともに低いときもありますが、一方で、この課題については以前より何度もデータを踏まえた振り返りを行い、かなり改善された感覚があります。現在は、曜日影響として認識できており、課題があるとは捉えていませんし、収益も右肩上がりの傾向が続いております。

Q. 社内での評価について教えてください

〈藤田様〉
バス乗務員から「当日に支払われる料金の確認が増えた」「料金に差額が発生した際に、10円単位に料金が増えた」との声が上がりましたが、学割料金の割引率の変更等を行い、対応を行いました。

また経営視点では、昨年度から夜行料金が上がっているので、全体的な収益は増えていると評価できています。

Q. 今後取り組まれていきたい内容を教えてください 

〈藤田様〉
2025年の3月以降は、「Revenue+」でのデータを踏まえたカレンダー料金の販売と、「D+」で算出された価格との比較ができるようになるため、その点に注視していきたいです。

また、ダイナミックプライシングによる販売の結果を確認できるBIツールもリリース間近とのことで、より早期の振り返りやフィードバックが可能となる点にも期待しています。私たちも、データに基づく打ち手づくりに今後も取り組んでいきます。

おわりに

今回は、東京バス株式会社の藤田様に導入前の課題や導入の決め手、その後の変化や効果、社内での評価、今後取り組んでいきたい点などを伺いました。

データドリブンな最適価格での販売は、収益増加につながり、企業様の継続的な成長・存続するための重要な要素です。

ダイナミックプラスでは、AIによる最適価格のご提案により、価格競争の激しいバス業界の企業様のさまざまな課題に対してサポートしてまいります。

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